子どものネットリスク教育研究会(旧「ネット・ケータイ問題」研究プロジェクト、旧 弘前大学「ネット&いじめ問題」研究会)では、日々の活動の一環として「研究・調査」を行ってきました。これは研究会とパト隊が、ネット・ケータイ問題の実態を調査から明らかにし、よりよい指導方法・解決のための具体的対策を研究し、啓発教材を開発していくことが学術・研究機関の責務であると考えていたからです。
調査・研究成果が現場で奮闘される教職員や諸団体、ネット問題研究者の研究、活動の一助になることを心から願っています。
なお、調査結果等はPDFファイル形式にしております。
ナンバー11までの調査報告書は、2015年度までのものです。それから、5年間は報告書はありませんでした。
2020年から新たに、研究誌と連携させ掲載します。(2020.4)
コロナ禍における子どものメディア利用を考える
臨時休校中の小学生メディア接触実態調査より[1]
コロナウイルス感染予防のため、2020年3月より全国の多くの学校が休校となり,子どもたちは突然登校できない事態となりました。この状況下で子どもたちの学習やメディア接触にどのような影響がでているのか,保護者はどのような懸念を持っているのか,その全体像を明らかにする必要があると考え,われわれは5月初めに小学生の子どもがいる保護者を対象としたweb調査を急遽実施しました。
その結果、休校期間中に子どもたちのメディア接触が確かに増えていること、多くの子どもたちが何らかのオンライン学習をしていること、長時間のオンライン学習は疲労度を増す可能性があること等が示され、一部はすでに報道されていますが、まだ十分に分析していない調査項目もあります。本ワークショップは、われわれが実施したweb調査の全体像を示すとともに、いくつかの追加的な視点を提示して、今後ますます進展することが予測される子どもたちのオンライン学習とメディア利用に関するリスクと注意点を示し、問題の共有を図るものです。
キーワード:子ども、メディア接触、オンライン学習、依存
司会:大谷良光(青森大学)
「調査概要と本ワークショップの趣旨説明」
報告1:本間史祥(青森市中学校教諭,子どものネットリスク研究会)
「休校期間中のメディア接触増加の要因」
報告2:ウッド一美(NPOぐんま子どもセーフネット活動委員会)
「保護者のネット依存危機感と子どものメディア接触時間」
報告3:伊藤賢一(群馬大学)
「社会学的属性から見る子どものメディア利用の特徴」
コメンテータ:矢野さと子(子どもとメディア関東)、照山絢子(筑波大学)
パネルディスカッション
[1] 本研究は科学研究費補助金による助成を受けています(課題番号 20H01672)。
子どもたちのネット・ケータイの利用状況、特にデジタルゲーム端末利用の現状を明らかにし、ゲーム利用と日常生活の関わりや意識という視点で調査を行ない、ゲームから子どもへのリスクを明らかにすることを目的とした調査の報告書になります。
2013年6月に実施した、中学校3年生と高等学校2年生を対象としたネット依存調査の報告書になります。
ネット・ケータイ問題を3つの側面からまとめたものになります。
本調査は、2010年1月に実施したネット被害調査に続く、第2回目であり、この間の端末やコンテンツの変化を含めて調査しました。
ネット接続可能ゲーム機が今後のインターネット問題のひとつの焦点になるという予測により、小・中学生のゲーム機によるネット利用の実態を明らかにするために実施しました。
ネット・ケータイによる子どもたちの被害状況について正確に把握するため実施します。生徒にとって「被害」とまで思わなくても、「不快・恐怖」を感じたという体験、なかなか人に話したくない体験があると思います。それらを含め利用実態を明らかにする調査です。
・第一次不快体験調査報告書
ネットいじめや有害情報等「ケータイ被害」から子どもたちを守るための環境整備がどのような状況かを、未成年者側から明らかにすることを目的として所持率が急増する高校1年生1244名にアンケート調査を行ったものです。調査から「ケータイ高1プロブレム」と呼ばれる特異な現状、フィルタリング、メール受信拒否の利用実態などが明らかとなりました。
調査結果をもとに、プロジェクトでは県民への緊急アピール文を作成し、記者会見でも発表し、広く県民に呼びかけています。
2009年4月に「青少年の安全に安心してインターネット利用できる環境の整備等に関する法律(青少年ネット規制法)」が施行され、環境整備が進む中、携帯電話を販売する販売店が青少年ユーザーに対してどのような販売対応を行っているかを明らかにするために県内携帯ショップ19店に聞き取り実施しました。調査からフィルタリングが丁寧に説明されているのは約半数である、学校裏サイトやネットいじめ等のインターネットリスクを説明していないことなどの対応実態が明らかとなりました。
調査結果から8項目にわたる業務改善の要望書を4社の携帯電話会社に渡して、販売対応の改善を求めています。
子どものネット・ケータイ問題の実際を明らかにする目的で、大学1年生326名を対象にアンケート調査を行ったものです。回答者には中学・高校時代を思い出しながら回答してもらいました。調査から掲示板やメールなどの媒体の一部分のリスク認知不足、体験的情報モラル教育の少なさなど、様々な利用実態がみえました。