津軽人の誇りであり、地域の貴重な伝統文化である「ねぶた・ねぷた」は津軽人の魂である。この「ねぶた・ねぷた」を取り上げ、子どもとの関わりや実態、学校教育での「ねぶた・ねぷた」の与える影響を研究課題にし、子どもや運行団体の意識調査、カリキュラム開発等を進めてきた。本研究は弘前大学教育学部「ねぶた・ねぷたと学校教育」研究プロジェクトの代表 大谷良光と研究協力者、研究分担者、連携協力者(ねぶた師 立田龍宝)による科学研究費の研究期間を含め7年間(2005~2012年)の研究成果である。
科学研究費による研究は終了したが、ねぶた愛好学生のよる「ねぶた・ねぷた・教育」への研究は続いている。本研究は、ねぶた・ねぷた関係者、教育関係者が必要なときに読まれ、参考にしていただけたならば幸いである。
本研究会プロジェクトは、2014年3月で終了しました。
研究成果のみ、以下に掲載します。
多くの青森県民が参加する津軽の伝統文化であるねぶた・ねぷた祭。本研究はこの祭に子ども、学校等がどのように関わっているのかを明らかにし、学校が地域と連携して祭を授業に取り込む場合のカリキュラム開発を目的とした。
下記の調査から、祭を教育課程に位置づける地域的環境が整っていることが判明した。
そして、多様な学年が取り組むことができる汎用「だるまねぶた」と指導計画を開発した。
文責:山内勇輝
青森の伝統文化であるねぶたを取り上げ、ねぶた制作の技に視点を向け、クラスカリキュラム(中学校における美術科、技術科+総合的な学習の時間と特別活動)による、カリキュラム構成を行なった。
構成は以下の通りである。第1章では、研究背景・目的。第2章は、事前調査として蛯名敦子、古川香氏の論文と京都造形芸術大学のねぶたカリキュラムの実践の考察。第3章は、小学校と特別支援学校によるねぶたを教材とした授業の実践。第4章は、中学校を想定したねぶた授業の実践(青森工業高校での実践)。第5章は、ねぶた授業の再構成による最終提案を行なっている。
文責:鈴木悠太
「地域の活性化」「開かれた学校」が謳われる現代社会において、ねぶた教育は学校と保護者・地域住民を繋ぐための架け橋となることができるのかを明らかにしていくことを研究課題とした。
本研究では、ねぶた教育に力を入れている小学校である青森市立古川小学校に調査協力を要請し、当校への訪問調査と児童・保護者・教職員・地域住民へのアンケート調査から、当校のねぶた教育の現状と積極面・問題点を明らかにし、当校へ知見を提供していくとともに、ねぶた教育が学校と保護者・地域住民の良好な関係づくりに貢献できるものか明らかにするため、実態の調査を行った。
ねぶた師・内山龍星に師事。14年間修業の元、2013年(28歳)にねぶた師として一人立ちした。立田龍宝に襲名し、青森青年会議所の大型ねぶたの制作をしている。元工業高校教員である。
ねぶた師・竹浪比呂央に師事。2007年から、竹浪比呂央ねぶた研究所の研究生として修業中である。